予習しないと楽しめない
美術鑑賞が趣味の人にとっては当たり前のことかもしれないけど、何かの展覧会に行く前にはある程度の予備知識や、できれば時代背景を知らないと興味を持って観ることができないのだなと思った話。
三連休に豊田市美術館へクリムト展を見に行った。この展覧会、始まる前からこの地方でも話題になっていて、ポスターなどもよく目にした。
…が、それを見て
「怖い」「顔が気持ち悪い」
というのが私の正直な感想だった。
これだけ話題になっている展覧会の作品に対して、なぜ短絡的な感想しか抱けなかったのか、そんなことが気になったからこそ今回の展覧会に行ってきたと言っても良い。
そういえば世界史サボっていた
歴史を知っていれば美術作品を観ても面白さが分かる、と思う。背景を知ってるのと知らないのとでは違う。もともと歴史は苦手意識があるが、とりわけ世界史は「受験で選択しなかった」という情けない言い訳もあり日本史ほど頭に入っていない。
逆の事例でいくと、私は徳川美術館には何度か足を運んでいて、行くたびに面白い、興味深いなあと思う。
展示品の美しさ、見事さに加えてその背景となる歴史(主に日本史、特に江戸時代あたり)がある程度頭に入っているからだと思う。
あとは茶道をやっていることも大きいかと。
絵を描くことが苦手だから絵画鑑賞も苦手
音楽方面は、曲がりなりにもピアノや合唱をやっていたことから苦手意識はないし、音楽史というほど大げさではないが、クラシック音楽を中心とした歴史的な流れが(すごく大まかだけど)分かっているつもりである。ところが絵を描くのは全くダメで、美術の授業も割と苦痛だった。
実は今回の展覧会で「ベートーヴェン フリーズ」という、第九(歓喜の歌)をモチーフにした絵画の復元が展示されていた。第九は歌ったことがあったから、この作品の解説を見る前に「ああ、これは第九のあの歌詞の部分だな」と気づくことができた。
つまり、絵画の背景・バックボーンが分かっていればその作品を面白いなと思うことができると気づいたわけ。これまで美術に興味を持つことができていたら、大まかな美術史も頭に入ってきたんじゃないかなと思った。
知識が不足してるから面白くない
そんなわけで、クリムトの主な作品を観たときに「怖い」と思った以上の考えが及ばないってのは、考える材料=知識がないからではないかと思った次第。
せめて観に行く展覧会の予備知識はつけておかないと楽しめないなあと痛感しました。