伊勢湾台風の思い出(ただし私の父親の)
もちろん伊勢湾台風当時、私はまだ生まれていないから、私の父親の話です。
父の生前、台風のニュースのたびにこの大災害の話をしたものでした。それだけ忘れられない出来事だったんだろうな。
ちょうど名古屋市内の公立高校の2年生だった私の父親は、台風上陸の当日は土曜日で半日授業で帰宅。予定ではその次の週から修学旅行だったのはもちろん延期になりまして(翌年の春先に延期だったとのこと。)。
月曜日はまずクラスの生徒で安否が不明の生徒の捜索。担任がゴムボートに乗って探しに行って無事を確認した(幸い父の学校では犠牲者は無かったらしい)とか、11月頃まで生徒が交代で復旧支援(支援物資の仕分け、土のう作り、炊き出し、堤防の締切作業など)に出たとか、工業高校の生徒が棺桶を作ったとか、とにかく話し出すと止まらないくらいに当時の話を聞いた。
台風ではなかったものの、2000年の東海豪雨の時に私が無理して膝まで浸かりながら帰宅した時は「破傷風になったらどうする!」と叱られたものですが、おそらく伊勢湾台風後にあちこちで消毒作業がされたのを見てきたからこそだろうと思う。
台風のニュースを見聞きするたび、父が生きていたらどう言うだろうなといつも思う。対策が甘い、想定が甘い、伊勢湾台風の教訓を覚えていないとか言うだろうな。