職場のマーライオン

走って(ランニング)、飲んで(お茶ときどき酒)、歌って(合唱)を三本柱にその他日日のことなど

母の日とか誕生日プレゼントとか

オキエイコさんのコラムを読んで、そういやうちでは母に家事関連のプレゼントをしていなかったと思い出した。

母は、私が思っていたほど母ではなかった|オキエイコ|note

ちなみに、オキエイコさんをTwitterでフォローしたきっかけは、保護猫を飼うまでのコミックエッセイ。猫さんがとにかくかわいらしい。

コラムの内容は、料理が好き(と思われる)お母さまにタジン鍋をプレゼントとして渡したものの、今ひとつの反応だったたいうもの。

詳しくは実際にコラムを読んでいただきたいが、要は「仕事で使うものをプレゼントといって貰ってもねえ」という反応だったというもの。

正直な感想を言うと、コラムの筆者が20代半ばまで母(主に家事を担当する人)に家事関連グッズをプレゼントしても喜ばれないということに気付かなかったというのが少し驚きだった。

この感想が批判めいた言い方になってしまうのは承知の上である。コラムの筆者を責めるつもりは毛頭無くて、おそらくこのお母さまは家事(ここでは料理)をすることが苦痛ではなかったのだろうな、少なくともそういったことを家族に愚痴ったり等で表に出すことはしていなかっただろうとも思う。

だからこそ、家事関連グッズをプレゼントすれば喜ぶと考えたのだろうし、そこには何の悪意もないだろう。

そんなことを徒然と考えたのは、私の母は真逆で、
「料理の献立考えるのが超ウザい(←この通り言っていたわけではないが、端的に表せばこんな気持ちだっただろう)」
「365日毎日毎日ご飯を作ってて嫌になる」
と常々こぼしていたし、料理以外についてもあからさまに家事が嫌いだと言って憚らなかった。

母の名誉のために(というより化けて出られたら困るので)付け加えると、料理の腕については上手い部類だったと思うし、ザッとしたレシピできちんと調理できるスキルと長年の専業主婦としての経験値が充分にある人だった。

また、30代〜40代の頃は割と遠くまで料理教室やパン教室に通うなどしていた覚えもある。 

嫌になると言いつつ「結局私がやらなければ」とボヤきながら毎日家事をやっていたわけで、言ってみれば、
「今日も満員電車ウゼー」「またあいつ(例えば嫌な上司)の顔見るのかよ」
とボヤきつつ毎日出勤し、
「とっととやらないと後からしんどいしなあー」
と言いながらしっかり成績挙げてくるサラリーマンみたいな気持ちだったのではと推察する。

母から明確に言われたことはないものの、そういった状況だったから、プレゼントに家事関連のもの、例えばエプロンや調理グッズをあげたことは多分ない。(今思い出したが、銀婚式の記念?に姉とお金を出して炊飯器をあげたことはあった)だいたいは、本人に希望を聞いてカバンや時計(いずれも本人希望により「雑貨屋さんで売ってるようなチープな感じのもの」が多かった)を贈っていた。

母の愚痴を聞いていた当時はそれらの愚痴やら恨み言(大げさ)を鬱陶しく感じていたものだが、今になって思えば母が正直なことを言ってくれていたおかげで「家事って仕事なんだからウザいこと満載だよね」と開き直ることができるようになったともいえる。

会社員で役職・管理職になってる人皆が常にやる気一杯に仕事に向き合ってる訳ではないのと同様に、専業主婦・主夫も家事を嬉々としてやっている訳ではない、という当たり前のことが母を見ていて自然と理解するようになった。そんなことを思い出したコラムだった。