便りのないのは…
父が数年前に亡くなったが、一部の親戚にはそのことを知らせていない。
理由は父(及び母)からの
「決して知らせてくれるな」
という遺言に近いものがあったから。
そこに至った経緯はごく個人的な内容だし、書き出してもキリがないから省略するが、要は関係が険悪だったからである。
さてその関係が険悪な方の親戚から、さらに言えばその人が元凶といってもよい人から電話があった。しかも朝8時過ぎに。
その日は久々の平日休みで遊びに出かけようかと支度を始めたところで鳴った電話。
朝イチの電話にロクな内容はない。でも出ないとマズくて、それは急を要する内容、もっと言えば身内の不幸に関するものが多いと思うからである。(この電話ってのは家の固定電話。ケータイでも同様で朝イチの電話は仕事がらみの良くない話が多い。)
実際私も親が亡くなった時は朝イチで電話していた。
そんな「ああ、嫌だなあ」という思いで取った電話である。
どうやらその親戚、この電話の前日に父が亡くなったことを知ったようだ(誰がバラしたか追及したいとこだが)。
「面倒だな」
とはいえ、嘘を言ってもバレる話なので、聞かれたことについては淡々とかつ曖昧に答えておいた。
- 「なぜ知らせなかった」
→いろいろ取り紛れて…とごまかしたが、それでも「そんな常識外れなことは通用しない」とかぐちぐち言い始めたので「故人の意思で」と言っといた。それ以上は空気読め。
- 「今何をしている」
→勤務先はボカしといた。私のきょうだい及び配偶者についても同様にボカし入れといた。何かされたら倍返しにするくらいのことはできるが、そんなことにエネルギー使いたくないし。
- 「墓はどこにした」
→墓を建ててないとかいうと面倒だから、今風の永代供養してくれるところで、とボカす。
こちらとしてはとっとと支度して出たかったので
「今出勤するとこなんで、今日遅番でこの時間にいるだけですからすみませーん」
とシャットダウン。
いやはや疲れた。
数年前に亡くなったけど、それを知らせてないってことは、連絡も取りたくないほど嫌だってことを分かって…くれるわけないから険悪だったわけだな。
その上よくよく後から思い返すと、父に対するお悔やみの言葉が一つも無いことに気づいた。
……父も母も関係を断ちたかった人間なので腹も立たないが、まあそんな人だったんだよなあと改めて思ったわけでして。